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2か月半

西日本豪雨から2か月半が経過した。よくここまできたなという思いもあれば2か月半でたったこれだけかとの思いもある。

Img_2408火事場泥棒がでるから貴重品だけでもとりに行きたいというフルおっさんについて真備に入ったのは7月8日だっただろうか。いつもなら15分もあれば行ける真備、穂井田線が通行止めのため倉敷から新本を迂回し南下、中本屋工務店前からみた、変わり果てた真備の景色は今でも忘れられない。瓦礫がプカプカ浮いた泥水はとてもウェットスーツを着ても泳げる状況ではなかった。

水が引き復旧作業を始めたのはそれから1週間ほど経った頃だっただろうか。40℃を超える日もある炎天下の中、ひたすら家の中のものを搬出、泥を掻き出す。みっちり水を吸った数十枚に及ぶ畳と布団の重さ、やってもやっても終わらない土色の景色の中での作業、やがて両手はパンパンに腫れて泥にかぶれたのか両手のひらには湿疹まで。

Img_2397そんな中、フルおっさんの書いた「 家族 絶対 守る 」との記事は強く自分の心を打つものだった。記事には一家の主としての責任や真備という土地で生きていく上で先祖から語り継がれた大事なものが記されていた。家が浸水したわけでもなんでもなく平々凡々と当たり前の生活を営んでいる自分、当たり前の生活がいかに幸せかとの気持ちを芽生えさせてくれる記事だった。

やがて記事は今自分ができることを全力でやらなければとの思いにかえた。

真備にはグ~太郎、タラ子夫妻が住んでいることを思い出したが住所もわからず手も足も出ない・・・。すぐさまきんたくんへと電話、やはりグ~太郎邸も1Fが浸水していることを知った。同時に復旧作業へ行きたくてもそれを許さない環境にきんたくんがいることを初めて知り、自分が‘やらなければ’との思いはゆるぎないものに。

ナビを頼りに自宅にころがっていた猫車を載せグ~太郎邸へと車を走らせた。そこには豪雨前皆生でお会いした時と同じ、元気な夫妻の顔、思わず涙がこぼれる。グ~太郎邸から軽トラで瓦礫の搬出開始、災害ごみの受け入れ場へと通る下原地区は工場爆発により家という家の窓ガラスが割れスレート屋根は吹き飛んでおり、軽トラもパンクに見舞われた。

フェイスブックに今日の両邸の状況、明日やりたい作業、欲しいもの、を書き込めば、必ず仲間はそれにこたえてくれた。人の気配の消えた家から高圧洗浄機を盗む輩がいると聞く中、仕事を休み、家主のいないフルおっさん邸を勝手に高圧洗浄して帰る輩まで出没(笑) やがて支援の輪は愛知県在住のウルトラランナー、釜石在住のトライアスリートにまで広がっていった。

正直復旧作業をしていても、もう一度住めるという確信が持てなかったフルおっさん邸に‘もう一度住めるかも?’との気持ちを芽生えさせたのは仲間との断熱材の搬出を終えた頃からだった。やがて外壁も高圧洗浄により浸水前の姿となった。丸裸になった家の骨組みはこれからも家族を守ると胸を張っているようにさえ見えた。

9月に入ると営業を再開する飲食店が出始める一方、廃墟と化した家々の解体が始まった。人気のない家並み、草の生い茂った田んぼが広がる視界の中でまた一軒、また一軒と家が姿を消していった。家屋のグシャッとつぶされる音を遠くに聞きながら炎天下行う復旧作業は自分がどうあるべきか、大切なものとそうでないものをかぎわける臭覚を鋭くしていったような気がする。

落ち着いたら真備で打ち上げをしましょう。

グ~太郎・タラ子夫妻と約束していたバーベキューをフルおっさん邸で開催した。

これからもここで生きていくという宣言のため場所は真備と決めていた。バーベキューには一緒に汗を流した仲間、遠くゴールドコーストから勇気を届けてくれたアスリートも駆けつけてくれ、不謹慎と言われようと大騒ぎ。

Img_2482これがノーリミッツ流。

小田川の泥水は家にあったものを根こそぎ流していったが仲間達の熱い思いが流されることは決してない。

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コメント

これからがたいへんなんじゃろーな~って思います。そろそろ息抜きにグルメライドでもしましょう!

投稿: furu | 2018年10月 3日 (水) 14時53分

フラット35というロングレースへ備えてグルメライド、ええな~!
コースはふる邸→むらさき→おもちや→つるはし食堂でええ?笑

投稿: hisa | 2018年10月 4日 (木) 08時15分

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